綺麗なのに気持ち悪い！？────サイコロジカルホラー映画『ミッドサマー』（2019）

• あらすじ

心中により妹と両親をいっぺんに失くしてしまった女子大生のダニーが主人公。

中身を観る前は勝手に男だと思っていたジャケット絵の人物ですね。

そんなダニーですが、なんだか恋人であるクリスチャンとの折り合いがよろしくない様子。クリスチャンが男友達とでスウェーデンに行くことに不機嫌になるも、なんと自分もついて行くことに。クリスチャンが誘ったのは建前だと分からなかったらしい。

着いた場所は友人の一人であるペレの故郷の村であり、90年に1度の儀式を行う場面に立ち会うことに。

村民たちに暖かく迎え入れられ、当然のようにキメた薬物で気分も身体もホットに。

……というところで、雰囲気が一変。

お誕生日席で食事をしていた老夫婦が怪しげな飲み物を飲んだかと思えば、そのまま椅子ごと崖上に輸送。ナイフで手を切られ、石碑にべっとりと手形をつけて、そのまま崖下にダイブ！

この映画最大のグロシーンですね。不幸にも生きていたお爺さんの顔を杵で打ち付け、絶命させるシーンは印象的です。お誕生日どころか、まさかの命日だったと。

だんだんとこの儀式の異様さが判明していき、次々と姿を消していく友人たちやダニーと同じ観光客。

果たしてこの頭のとち狂った儀式に巻き込まれたダニーとクリスチャンの運命とは……！

というのが本作の概要ですね。

• 感想

個人的な感想を言うのであれば、永遠と頭の可笑しい宗教の儀式を見せ続ける雰囲気全振りのグロ映画というところなのが本音。面白くはあるんですけど。

『ミッドサマー』という題名の通り時期は夏至であり、舞台となる儀式も夏至祭らしいですね。

北欧の夏至なので夜は暗くなる時間が極端に短い白夜となることを利用して、映画のほとんどが白昼の下で行われていくことに。

明るい中で進められていく異様な儀式に対する違和感とその気持ち悪さ、がこの映画の最大の魅力。

言うなれば、綺麗なホラー映画。

自分的には好きですが、その不快感から友人に勧めれば嫌われること間違いなしの一本です。